常磐道、友部ジャンクションから西へ伸びる北関東道、ことし笠間~桜川延長になり、同じく上三川~真岡と延長になった所と繋がるまであと一区間を残すのみ。今日はその笠間に行きました。笠間インターを下りて西に走ると、あちらこちらに笠間焼きの看板が目に付きます。程なく道の脇に巨大な壺のオブジェに遭遇。窯元を示す看板、陶芸屋さんもちらほら。ここは陶芸の町、立派な茨城県陶芸美術館が丘の上にあります。ふと、看板の一つに美術館の文字が目に入ったので行ってみました。
笠間日動美術館、パーキングに車2台、もしかして休み?入り口に藤田嗣治の企画展の案内があり、ちゃんと開館していました。(月曜が定休日ですって)大人1000円です。まず入って右手にある日本・アメリカ館、山形の画家金山平三の展示があります。花の寄せ挿し、薔薇、コスモスと三点の花の絵がありましたが、いずれも白地に青絵のある花瓶が描かれています。青絵が微妙に異なる様にも見えるが、同一の花瓶かどうかは定かでは有りませんが、きっとお気に入りの花瓶だったのではないでしょうか。
残雪残る月山とも見える山を遠目に描いた春の絵、刺すような冷たさからほんの僅か温かみを増し、柔らかく産毛を撫でるような空気感、やさしい光の感じられる1枚。良いですねェ。山形の冬を描いたものが何点かありました。冬の日本海... 思い出しました。昔、雪の中、新潟から山形に車で行った時のこと。山北郡を抜け朝日山を越え、荒れる日本海の海沿い、防風林の松林づたいの道、昼間なのに暗ら~い道でしかも、たまにトラックとすれ違うくらい心細い道。突然右手の松林から白いものがフワッと、ギョエーッ雪女ァーー、後ろを振り返って確かめるなんて余裕はありません、一目散に走り抜けました。あー恐ろしや恐ろしや。 で、帰りに通ったんだけど、松の木の枝に白い布が引っ掛かって揺れていたんですよ。冬の雪の日本海は嫌いです。
話し戻って美術館、入り口左手にあるフランス館。マティス、ルオー、ボナール、ドガ、ルソー、モネ、セザンヌ、ルノアール、ミロ、シャガール...す、凄いコレクションです。アメリカのポップアートのリキテンスタインとウォーホールもあります。 レジェの歩く花、これ良い! 部屋に置いてあったらとても楽しいと思いますよ。 しかしなんと言っても、2Fの一番奥にポツンとあった小さな箱。 な、なんと、コーネルの箱です。太陽と鳥かごと鳥、両サイドに鏡、右手に2本のチェーン、左下に玉。実物を間近に見たのは初めてです。 がらんどうなのにいっぱい詰まっているよ、いやー凄い。
さて、野外彫刻庭園を抜け、竹林を抜けてフジタの絵、企画展示館に足を運びます。あまりに立派な竹なので、何本か触れたりコツコツと叩いたりしてみていましたが、相々傘と名前を彫り込んである竹を見つけました。不届きな輩がおるものですね、哀しい事です。こちらの建物は3階建て、フランス大使館の後援、モンパルナス美術館の協力もあり、量、質とも素晴らしいものがあります。なかでも 「猫を抱く少女」、ここに描かれたネコの眼といい、少女の眼といい、その鋭さ、眼力はどうだ。 見て回って感じた事ですが、しかし、女性、少女の描かれたものが大多数であるが、そのどの口もキッと閉じているではないか。笑顔のものはひとつも見当たらない。油彩画で一点だけ唇に隙間の感じられるものがあったのと、日本画壇の画家の絵に豪快な笑い顔があるだけでした。
1927年作のエングレービングという手法による本の挿絵集。 これ凄いね、なんと言っても眼ですね。中でも圧巻は、引き戸かな?あるいは窓?から顔をのぞかせる二人の女性、その目の、瞳の、虹彩の描き別け。 まったくもって尋常じゃー無い。線に凄味がある。
それから戻る途中、日本・アメリカ館は5Fまで有る事に気づき行ってみました。どのフロアも私以外誰も居ない。私が足を踏み入れるとセンサーが働いて、自動で照明が点灯します。中でも目を引いたのは2Fのフランス人形の部屋。 ジュモー、ゴーチェ、ハルビン...有名どころが並んでいます。ほの暗い人気の無い小さな部屋、片方だけ睫毛のない子、がちゃ眼の子、片方の眼が陥没してる子... と、かなり怖いシチュエーション。 でも、服飾は見るものがありますね、カルメン風の子、ハンガリー民族衣装風の子など。手の込んだシャーリングのヴァリエーション、レース使い、帽子、靴といった小物にいたるまで本当に良く出来ています。
あちこちの、扉の取っ手になっている、ブロンズの裸婦像を何度も開け閉めしているうちに、はたと気づきました。そう、銀座は数寄屋橋、ソニープラザ並びの日動画廊の扉の取っ手と瓜二つ、(ポン!)合点が行きました。十代後半に日動画廊で見たシャガール、ローランサン...ここにありました。 上野の美術館等、平日の昼間でも多くの人でにぎわい、メジャーな展示物では、それこそトコロテン式に観てまわらざるを得ない都内の美術館と異なり、多くても三人程しかいなかった今日、この場所、じっくり絵と向き合うことが出来てとても幸せです。絵の好きな人はたずねてみてください。
帰り際には、パーキングに車7台ありましたョ。帰り道、脇にあったJAショップで、地元の農家の方が作った柿、ピーマン、キュウリ買って帰りました。
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